高野山に参詣しました!開創1200年記念大法会(4/2〜5/21)が開催中
平成27年(2015年)は弘法大師・空海が弘仁7年(816年)に高野山を開いてから1200年の記念すべき年。4月2日から5月21日までの50日間、高野山一帯で「高野山開創1200年記念大法会」が勤められています。真言宗のお寺だけでなく曹洞宗・永平寺や華厳宗・東大寺など宗派・地域を問わず、そして僧侶と一般の別なく、弘法大師を慕う人々が高野山を訪れています。
これはぜひとも行かなくては!と思い立ち、丸一日スケジュールを空けて参詣しました。天理市という天理教の名を冠する日本有数の宗教都市から、天理市以上に濃密で神秘的な宗教都市であり、日本最大級の天空の聖地・高野山への旅は、勝手に感慨深いものを感じてワクワクしました。
高野山へは車でのアクセスもかなり便利になり、天理市からでも2時間ほどで行くことができますが、今回はのんびりと電車で向かうことに。高野山一歩手前の極楽橋駅で降りてみたかったり、そこから日本有数の傾斜を登るケーブルカーにも乗りたかったからです。そして何より、極楽を経由して空海(空の海)に会いに行くなんてドラマチックじゃないですか!(そんなテンションでケーブルカーに乗っていたのは私だけですが……)
当日はあいにくの雨。というか大法会が始まってから快晴はほとんどなく、高野山でも天候不良が続いているようです。しかし連日の雨にも関わらず参詣者は非常に多く、このまたとないチャンスに結縁しようという尊い思いを感じます。私もそんな雰囲気に押され、少しでも多くのお寺を訪ねようと傘を片手に足早に周りました。
まずは高野山真言宗の総本山・金剛峯寺へ。御本尊の弘法大師坐像は平成11年にご開帳されて以来16年ぶりのご開帳。少し距離があり暗くてはっきり見えなかったですが、決して大ぶりでなくても凛とした雰囲気を放っていました。また、弘法大師がこの地を真言密教の聖地に見定められた故事のキーとなる三鈷杵(さんこしょ)の大きな模型があり、目いっぱい撫でました。
次は高野山の本堂である金堂へ。こちらも秘仏を開帳をしていますが、なんと1200年という長い高野山の歴史の中で御本尊初公開という、まさに歴史的瞬間。厳かな法要の中、大きな薬師如来坐像とお出会いさせていただきました。
金堂の隣の根本大塔は想像以上に巨大。高さ48.5mの日本で最初の多宝塔であり、大塔内陣は曼荼羅の世界を立体的に表現していて、胎蔵界と金剛界をひとつに融合した空海独自の立体曼荼羅とのこと。圧倒的な大きさは奈良の大仏に通じるものがありました。
昼食はせっかくなので精進料理を食べようと考えていましたが、目当ての食堂が定休日とわかり、お腹もペコペコだったのでガッツリとカツ丼にしました(笑) 精進が足りませんが、代わりに観光客に大人気という「心に優しい高野山精進カレー」をお土産に買いました。精進ですから、肉・魚・玉葱・ニンニク・化学調味料は使用されていません。1箱540円、168キロカロリーとは、いろんな意味で精進が必要です!
そして高野山霊宝館、いわゆる博物館へ。今回実はここが一番印象に残っています。国宝や重要文化財の指定に関わらず、凄まじい存在感の仏像などがこれでもかと多数展示されています。「高野山三大秘宝」ももちろん素晴らしいですし、「快慶作孔雀明王像」「運慶作八大童子像」も必見です。一日中いても飽きません!
名残惜しく霊宝館を後にし、最後はやはり奥之院へ。弘法大師入定(にゅうじょう)の地であり、弘法大師御廟(ごびょう)は大師信仰の中心聖地。一帯は皇族や諸大名をはじめ、文人や庶民にいたるまで、あらゆる階層の人々の墓石が無数にあり、親鸞聖人や法然上人のお墓もあります。それらに手を合わせて一番奥の奥之院にたどり着くと、そこにも無数の燈籠(とうろう)が奉納されおり、堂内は護摩供養や焼香の香りが染み付いてむせ返りそうになるほどです。理屈を超えて心が澄みわたるような神聖さに感動しました。
以上長くなりましたが、皆さんにお伝えしたいのは「皆さんもこの期間中に必ずお参りください!」ということ。高野山にはテレビや本ではうかがい知れない魅力があります。それは自分自身の体で感じなければ到底わからない種類のもの。初めての方はもちろん、訪れた経験のある方もこの期間中にぜひ足を運び、自らの目で耳で心で感じてください。聖地に”今もおわします”弘法大師に出会い、1200年目の勝縁に巡り会えた喜びを心身に感じていただければと願っています。