行基菩薩生誕記念法要表白
11月2日、五重相伝の2日目に「當山開基行基菩薩 生誕1350年記念法要」を厳修しました。その表白を掲載いたします。
謹み敬って白す。
十方一切の三宝、釈迦牟尼世尊、証誠諸仏、西方願王阿弥陀如来、観音勢至諸大菩薩、浄土三国伝灯諸大祖師、高祖光明善導大師、元祖大師法然上人、及び血脈相承の諸大徳、仏法擁護の諸大善神、これをよく聞き給え。いま正にここ、佛性山善福寺開基せらる行基菩薩の生誕一千三百五十年の勝縁にあたり、記念法要を修し奉る。行基菩薩は天智天皇御代七年、西暦六六八年、河内国大鳥郡に生を享け、十五歳にて出家得度す。薬師寺にて法相宗を学び、道昭に教えを請う。
僧俗一体の信仰集団を形成し、貧民救済・治水・架橋などの社会事業に尽力す。その数、寺院は四十九、溜池は十五、堀や架橋は十五以上に及び、民衆への貢献は計り知れず。僧尼令に反する疑義で弾圧を受くも決して屈せず、ついには聖武天皇の懇願により東大寺大仏造立の勧進職を務む。その功甚大にして、天平十七年、仏教界最高位・大僧正を贈らるる。これ正に日本最初の大僧正なり。天平二十一年、西暦七四九年、喜光寺にて八十一歳でご入滅、生駒の往生院にて火葬の後、竹林寺に埋骨せらるる。
當山は行基菩薩開基の墓地を起源とす。その恩徳に報ゆるには甚だ及ばずながら、生誕一千三百五十年を記念し一座の法要を厳修し、五重相伝の機縁を得て仏弟子を育むことをもって報恩の一端とす。
伏して願わくは、一切の三宝慈悲を加え、参集せし諸大徳ならびに善男子善女人に吉祥を垂れ給え。
維持 平成三十年十一月二日 行蓮社基誉浄薫 敬って白す